GUARDO - いろんな悪いことはあるけれども、やっぱり世界は面白い〜『雪の下の炎』対談

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GUARDO - いろんな悪いことはあるけれども、やっぱり世界は面白い〜『雪の下の炎』対談

 「平和」という言葉はとても危うい。あるときは質実ともなう崇高な社会実現として、そしてまたあるときは政治に利用され歪曲した絵空事として。それゆえ、「平和」という言葉を口にする際は無意識に身構え、襟を正して挑まないといけない気持ちになる。

 チベットに人権など存在しません。私がその生き証人です。──中国軍の侵攻に対し、チベット民族が蜂起した1959年に非暴力のデモを行なったという“罪”で投獄され、我々の想像を絶するむごい拷問を受けながらも33年間を生き抜いたチベット僧パルデン・ギャツォの姿をドキュメンタリー映画『雪の下の炎』で追った楽(ささ)真琴。

 2001年に広島で平和の火を灯して以来「Candle Odyssey」と称し、グランド・ゼロ、アフガニスタン、カンボジア、中国チチハル、ロンドン、広島、長崎、神戸、新潟などの争いや災害のあった地を巡り世界各地で火を灯す旅を続けるCandleJUNE。

 このふたりは「平和」というやっかいな言葉をじつに楽しんで口にし、人類や世界の平和を身近なところから考え、捉え、自分なりに咀嚼し表現することで、自己の生と向き合っている。彼らの「平和」を『雪の下の炎』を通じて考えてみたい。


──おふたりはこの『雪の下の炎』のイベントでお会いされていたとのことですが。

CandleJUNE(以下J):そうですね。知人に紹介されて、キャンドルを灯しました。

楽:本当に素晴らしかったです。当日はすごくバタバタしていて、きちんとご挨拶せずにすみません……あのキャンドルを作っているんですね。ほかにもフリーペーパーとかも作られてるんですか?

J:これは『6paper』という、青森の六ヶ所村の再処理工場に対して、反対というか……最近「反対」という言葉を使っていないんですが、止めたいなと思って、そのためにどうしたらいいかなと思って作ったフリーペーパーです。いわゆる「反対派」というとモノクロのチラシみたいなイメージですが、多くの若者はそれだけで拒否反応を示すので全部カラーで、突っ込んだ話や誰が悪いということではなく、現実はこうですって伝えています。そのなかで苫米地さんという、反対運動をしながらお米を作っている人をクローズアップしているんですが、というのも、問題の全体を捉えないと反対してはいけないみたいな雰囲気はやめてひとりの人にクローズアップして、自分にもいるようなお母さんみたいな人がなぜ反対運動しているんだろうってことを知るほうが近道かなと。

楽:そうですね。ひとりの人にクローズアップして問題を捉えて主張していくことは、私も『雪の下の炎』においてパルデン・ギャツォ氏を通じてやろうと思ったことです。チベット問題にまつわる映画はこれまでにもたくさん作られていますが、私が表現したかったのは、自分自身が人間と関わったときに、その人の想いの側に立つことで変わることができるということで、おそらくJUNEさんのこのフリーペーパーと同じことだと思います。Next

いろんな悪いことはあるけれども、やっぱり世界は面白い〜『雪の下の炎』対談

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update : 2009.04.13
title : 『雪の下の炎』


text : VAGANCE
photo : takuji onda
thanks : makoto sasa
thanks : CandleJUNE
thanks : UPLINK

makoto sasa & CandleJUNE

楽真琴(写真左)

1973年東京生まれ。慶応大学環境情報学部卒、1997年にNYに移住し、荒川修作のスタジオに勤務。その後、ニュースクールメディア学修士を取得、インディペンデント映画づくりをはじめ、アシスタント・エディターとして「ゴーイング・アンダー」、「ラブ」、長編ドキュメンタリー「マイ・シティ」などの作品に携わる。NYで一番苦しい時期にチベット仏教に励まされ、「雪の下の炎」の制作に至る。


CandleJUNE(写真右)

世界各地で火を灯す。1994年にキャンドルの制作を始める。2001年に広島で平和の火を灯してから「Candle Odyssey」と称する争いのあった地を巡り火を灯す旅を始める。これまでにN.Y. グランド・ゼロ、アフガニスタン、カンボジア、中国チチハル、ロンドンを巡り、国内では広島、長崎や震災のあった神戸や新潟を訪れ、火を灯す。

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