LEGGO - 本から始まる、matt李明喜の空間デザイン

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ジョルジョ・アガンベン『バートルビー―偶然性について』/[附]ハーマン・メルヴィル『バートルビー』(月曜社)

 メルヴィルのバートルビーは以前から読みたいなあとぼんやり程度に思っていたのですが、絶版だったので読めずにいました。そしたら、たまたまジョルジョ・アガンベンのこういうセットで出版されて、当時アガンベンの『ホモ・サケル』も読んでいたりしたので、なんて都合のいいセットだと思って購入しました。

 アガンベンのテキストはバートルビーについての解釈から、持論の潜勢力について語っていて、それ自体はもう他で書かれていたようなことだから別に面白みはないんだけど、バートルビー自体は強烈でした。何も起きないのに(笑)。カフカは昔から大好きなんだけど、カフカよりさらに遠くへ放り投げられた感じでした。名セリフでしょ、「しないほうがいいのですが」って。これはハマった。本の装丁も秀逸ですし。月曜社って小さい出版社ながら頑張っているんですよね。(「タイトルの字を、本の端ギリギリまで寄せてるのとか絶妙ですね」)そうそう(笑)。で、期待してめくると、予想通り本文のデザインは普通なんだけど。それは別にして、メルヴィルのバートルビーは衝撃でしたね。


坂口安吾『風と光と二十の私と』(講談社)

 2006年10月20日で安吾が生誕100年っていうのを最近新聞で読んで、「久しぶりに安吾読みたいなあ」と思って『桜の森の満開の下』を本棚の奥から引っ張り出して読みました。で、安吾はたぶんこれからもまた何度か読みたくなるんだろうなあと思いました。安吾って、場所にしても時間にしても、絶対どこにも立ち止まっていないじゃないですか? そこが魅力的ですよね。

 で、たまたま谷中をブラブラしていたら古本屋でこれを見つけて。すぐに近くの喫茶店でその中の『私は海を抱きしめていたい』を読んだら……ぐっときちゃいました。泣いていたかな……たぶん(笑)。安吾は二十歳くらいにハマって読んでいたのですが、『私は海を抱きしめていたい』は読んでいなかったんです。この本は講談社文芸文庫なのですがこのシリーズって文庫にしてはかなり高いですよね。でもセレクトはとてもいい。講談社学術文庫やちくま学芸文庫もそうなんですが、良質な文庫シリーズはずっと続いてほしいですね。「えー、こんなものが文庫化されるなんて!」というものをたくさん出してほしいです。

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update : 2007.01.16
title : 空間デザイナー・李明喜


text : VAGANCE
photo : VAGANCE
thanks : myeong-hee lee
thanks : matt


myeong-hee lee

李明喜(myeong-hee lee)/空間デザイナー

「コミュニケーションの可能性─現実の拡張」としての空間デザインに取り組むデザインチーム“matt”代表。主な仕事は『JAM HOME MADE』(2000 千駄ヶ谷)、『GAS SHOP』(2002 中目黒)、『CAFE SIGN』(2002 外苑前)、『CAFE OFFICE』(2001 外苑前)、『BIT THINGS @ YCAM』(2003 山口)、『SUPERSTARS』(2002 代官山)、『mod com. @ akiba』等。

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