LEGGO - 本から始まる、matt李明喜の空間デザイン

LEGGO / 本から始まる、matt李明喜の空間デザイン

LEGGO - 本から始まる、matt李明喜の空間デザイン

 白い壁面にはあらゆるモジュールで青テープが貼られ、図面や写真、ドローイングやコンセプチュアルな言葉が並ぶ。スケルトンの天井に、床にはミニマルなデザインの家具が無造作に配置されている。空間デザイナー・李明喜さんのオフィスはさながら“工房”といった印象だ。

 そしてこの工房に欠かせないのが、あちらこちらに積み上げられた本たちである。

──本について、強烈な思い出はありますか? 捜し求めた末にやっと出会った本とか。

 その逆で、大切にしていたボイスの本……すごい苦労して探して、インターネットで見つけたドイツ語の古本屋で思いきって買ったボイスの本があったんだけど、それが無くなったのがなによりも強烈な衝撃です。いまだに。
 すごく気に入っていたんです。薄くてハードカバーで正方形の大判で、モノクロの写真が無造作にレイアウトされているだけなんだけど、写真も紙の質感も一見粗いのに触れてみると実は繊細、というボイスらしい本。それをとても大切にしてたのに……なくなった(笑)。すごいショック。引っ越す前の事務所には確実にあったんだけど、今の事務所に引っ越して来てからは見たことがない。それこそ、一番苦労して手に入れた本ってそれだったので。

──そうやってインターネットで本を買うことが多いですか?

 本屋さんに行くのも大好きですよ。出張や旅行先で、その街を知るためにまず本屋さんに行く。京都はわりといい本屋さんが多くて……いい本屋さんっていうのは、例えば寺町二条の三月書房のように、小さい新刊のお店でもちゃんと編集されているような本屋。小さいからスペースだから限界があるんだけど、ベストセラーだけじゃなくて「選んでいるなあ」っていうのがわかるお店。古本屋とはまた違った良さがありますね。

 こないだ出張で行った千歳でも面白い本屋さんがひとつありました。ショッピングセンターのなかに700坪の文教堂書店があって。千歳って、空港はあるけどすごく小さい街で、そこで700坪って……ワンフロア全部が文教堂。東京でもそれだけ大きな店はあまりないのに、そこはすっごく広大なの(笑)。しかもその700坪に、お客さんが……10〜20人とかで。そんな状況の文教堂が入っているショッピングセンターから、道を挟んだ向かい側に、小さい昔ながらの本屋さんがあって。看板とかもボロボロで、朽ち果てたような感じの。そこのオヤジがまたすごい無愛想でありがちなキャラなんだけど、でもそこも決してベストセラーや雑誌だけじゃなくて、国書刊行会の本とか意外なのも所々にあったりして。そういう本屋さんを見つけると嬉しいですよね。Next

本から始まる、matt李明喜の空間デザイン

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update : 2007.01.16
title : 空間デザイナー・李明喜


text : VAGANCE
photo : VAGANCE
thanks : myeong-hee lee
thanks : matt


myeong-hee lee

李明喜(myeong-hee lee)/空間デザイナー

「コミュニケーションの可能性─現実の拡張」としての空間デザインに取り組むデザインチーム“matt”代表。主な仕事は『JAM HOME MADE』(2000 千駄ヶ谷)、『GAS SHOP』(2002 中目黒)、『CAFE SIGN』(2002 外苑前)、『CAFE OFFICE』(2001 外苑前)、『BIT THINGS @ YCAM』(2003 山口)、『SUPERSTARS』(2002 代官山)、『mod com. @ akiba』等。

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