


2008年2月、渋谷の神山町に一風変わった書店小売り機能をもつ出版社がオープンした。その名も「SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(SPBS)」。通りに面する部分は全面ガラスになっており、表通りからは手前にある書店部分と奥にあるオフィス部分が一望できる。「そこでつくってそこで売る」──それこそがSPBSの理念=存在価値だそうだ。
書店部分をプロデュースするのは、以前この「LEGGO」でもご紹介した選書家・幅允孝氏(BACH代表取締役/BOOK246、TUSTAYA ROPPONGI、国立新美術館ミュージアムショップPD)。そして設計を担当したのはいまや売れっ子建築家となった中村拓志氏(NAP建築設計事務所代表取締役)である。この2名が係わっているからには、話題にならないはずはない。今回はSPBSの仕掛け人である福井盛太さんに、「LEGGO」案内人である空間デザイナー・李明喜さんがインタビューを行った。
李:来客は週末に集中しますか?
福井:傾向としてはそうですね。地域密着を打ち出してはいますが、いまのところ遠方から来られるお客さまのほうが多いかもしれないですね。でも、平日深夜は少しずつ増えています。深夜2時までやっているので、その時間帯に来られるのは近所の方でしょうね。
李:なぜ深夜2時までやっているのですか?
福井:ニューヨークのイーストビレッジにある「セントマークス・ブックストア」という有名な本屋さんをモチーフにしています。近くにニューヨーク大学がありながらも、下北沢みたいな雰囲気もあり……深夜までやっている、活気のある本屋さんなんです。そういう本屋が東京にもあればいいなあと思って。
李:「深夜の本屋」というと、六本木の青山ブックセンターを思い浮かべますが、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSはまったく印象が違いますね。
福井:24時間営業はいまさら珍しくないのですが、繁華街から少し外れた場所で、少し外れた形態でやるっていう……それこそ求めているものでした。
李:この場所(東京都渋谷区神山町)にお店を構えたのは、こだわりがあったのですか? それとも自然な流れで?
福井:両方です。10年以上前に代々木八幡に住んでいたので、元々愛着のある街でした。それが、ここ何年かで街に随分と動きが出てきて、面白くなってきたので出店エリアの候補にしました。他にも候補地はいくつか考えていたんですが、たまたまこの物件が見つかって、「ここにしよう」と。
李:渋谷とはいえ、駅から結構歩くので喧騒から離れていますよね。
福井:代々木上原、代々木八幡から神山町までが動線になっているんですよね。渋谷駅からも人がゾロゾロ歩いてきます。以前はこんなにカフェとかもない寂しい通りでしたが、いまは恵比寿の外れが繁盛しているような雰囲気がありますね。
李:前の通りってこのお店にとってかなり重要だなあと僕は思いました。道幅は広くないけれど、結構な交通量はある。このくらいのところが丁度いいのではないでしょうか。大きな通りの本屋さんとは、まったく違う印象ですね。
福井:そうですね。あまり意識はしていませんでしたが、そう言われてみるとこの道幅って街っぽいですよね。いまは目の前が更地になっていますが、ビルが建つ予定があります。そうすると、さらに街っぽくなるのかなあ。![]()

update : 2008.04.03
title : SPBS・福井盛太
text : VAGANCE
photo : shinji kubo
thanks : myeong-hee lee
thanks : seita fukui
thanks : SPBS
福井盛太
SPBS CEO/SPBS総合プロデューサー/編集責任者。ビジネス誌『プレジデント』の編集者を経て独立。書籍・雑誌の編集や執筆、プロデュースなどを幅広く行っている。現在は、スポーツマネジメントの総合誌『Sport Management Review』(データスタジアム刊)の編集人も兼務。過去に関わった作品に、『KOSHIRO MATSUMOTO』(プレジデント社刊・十文字美信撮影)、『勝利のチームメイク
』(日本経済新聞社刊・岡田武史、平尾誠二、古田敦也との共著)、『SWITCH ON BUSINESS―21世紀の冒険者たち
』(スイッチ・パブリッシング刊・編集人)、『男前経営論―ピーチ・ジョンの成功哲学
』(東洋経済新報社刊)などがある。
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