PRATICO - 脱ヨーロッパ化でさらに広く証言していく〜世界の医療団(MDM)の役割

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PRATICO - 脱ヨーロッパ化でさらに広く証言していく〜世界の医療団(MDM)の役割

 VAGANCE“世界の医療団(MDM)シリーズ”第5回目となる今回は、前回インタビューしたアドボカシー(政策提言)担当のジボワン・カトリーヌ氏と同様、組織を俯瞰して分析し、世界情勢に適応した在り方をつねに模索し続ける、インターナショナル部チーフディレクター、ベンジャマン・ニュイエン(Benjamin NGUYEN)氏に話を伺った。

──まず、世界の医療団(以下MDM)に入られたきっかけを教えてください。

子供の頃に「ボートピープル」というものを知り、子供ながらにショックを受けました。それで、ボートピープルについて活動している団体があるというのを知りましたが、その時点ではそれがMDMだということは知りませんでした。

その一方で大学では法学部に入り、漠然と弁護士を目指していましたが、勉強を進めていくなかで今度は国際関係論の国際人道支援について興味が移りました。大学を出て最初はブラジルのフランス大使館で広報官をしていましたが、次に何をしようと考えたときに、国際人道支援をしている団体が頭に浮かびました。たくさんある団体のなかで、健康・保健・人権というテーマ、そしてその団体の哲学に共感が持てるかどうかというところを合わせて考え、MDMに辿り着きました。

──MDMの団体の哲学というのは具体的にはどういったものですか?

不法移民や戦争・災害に遭った人など、政治的あるいは経済的な状況によって治療を受けられない人たちがいます。しかしその現実を前に、MDMは人種や政治的に右か左かといったこととは関係なく、誰にでも医療を提供するという姿勢、そこがいちばん共感できるところでした。

──現在のあなたのMDMでの役割を教えてください。

MDMインターナショナル部のチーフディレクターを務めています。現在世界には15の支部がありますが、これらの支部をひとつにまとめることがいちばん求められていることです。これまでバラバラになっていた支部をひとつにすることで、もう少し方向性をはっきりと打ち出していくのが目的です。これまでフランスとスペインというふたつの大きな組織が中心になって色々なアクションを起こしていましたが、すべての支部をまとめることで、より「治療する」「証言する」という2つをはっきりアピールしていこうと考えています。

──今回来日した理由を教えてください。

2つあります。ひとつはインターナショナル部としての役割です。日本に限らず、すべての支部についてもそうですが、定期的に訪れることでインターナショナルのポリシーをスタッフに理解してもらうことを目的としています。もうひとつは、ちょうど年に一回の日本支部理事会がこの時期にあったので訪れました。現在インターナショナルの改革を行なっていますので、それについて説明することを目的としています。

──日本の活動に関して、どうお考えですか?

MDMがフランスで設立されて以来、ヨーロッパの11カ国で展開してきました。ヨーロッパ以外ではカナダ、アルゼンチンがありますが、いずれも文化的な背景はヨーロッパと似ています。そんなわけで、日本支部はすごく特殊な存在と言えます。ヨーロッパと文化的に似ているわけでもない、にもかかわらず、阪神・淡路大震災をきっかけに積極的に活動している。

日本支部に期待しているのは……インターナショナルという名前が示すとおり、これまでヨーロッパ風にやってきたことを、もう少し別の観点も取り入れてやっていきたいというのがあります。その意味でも、カタールやインドにも新しい事務所を設立しようと動いていますが、ようするに「脱ヨーロッパ化」というインターナショナルのあり方を模索しているんですね。

そこで今後の課題として、日本支部にはもう少し独自性のあるプログラム……現在「スマイル作戦」という修復形成外科のプログラムを中心として活動していますが、これに加えて別のミッションを独自に展開していく、ハンドリングしていくことを求めています。このことは同時に、MDM本部にとっても非常に重要だということは会長も含めて認識しているので、日本支部には早く成果を出してほしいという希望があります(笑)。Next

脱ヨーロッパ化でさらに広く証言していく〜世界の医療団(MDM)の役割

すべては現場から発せられる言葉である〜世界の医療団(MDM)の提言
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update : 2009.06.02
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ベンジャマン・ニュイエン

1971年フランス出身。国立パリ大学パンテオン・ソルボンヌにて国際関係を学ぶ。1994年からブラジルのフランス大使館において広報官を務めた後、1996年に世界の医療団に入る。以来、ジェネラルコーディネーター(世界の医療団 ミャンマー現地)、プログラムオフィサー(世界の医療団アジアデスク)、資金調達チーフディレクター(国連治療連帯基金 エイズ対策チーム)、プログラムオフィサー(世界のこども難民)を経て、2005年から世界の医療団インターナショナル部のチーフディレクターを務める。

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